画一化された[規定]に対向するには
 其の1 特定銘柄のキット並びに素材、そして製作に於ける過剰な制限の中で
行う滞空競技大会があると仮定するなら他の出場者に対し何をもって
優位に立つ事が出来るのか考え実行しなければならない。
ここでは機体製作或いは設定/調整技術や飛ばし方等は一定水準にあ
るモノとして話を進める。

画一化された中で他に優位に立つには機体がまともであるのは当然な
のよ、しかし皆がほぼ同等の機体(性能)を有する事になるのでこれ以
上性能を上げるのは不可能(規定上改造も改良も禁止なので)である。
端折って言えば機体の性能だけじゃ解決しないんだわ。
 
 「差別化する為に高く上げろ」★ 獲得高度
 其の2 滑空型紙飛行機は高速上昇からトランジションに移行すると同時に滑空
飛行を初める、と同時に毎秒[0.5〜1m沈下]し始める。仮に 0.6mならば
トランジション点が高度60mでの滞空時間は1分だ。空気中ではその他の
抗力が働くので実際はこれよりずっと短くなる。他との差別化第一歩は
滑空初めの高度(トランジション点の高度)を如何に獲得出来るかだ。
兎にも角にもまずは誰よりも高く上げる事なんだ、実に簡単な事だよ

その為にカタパルトゴムの長さを見直そう今すぐにでも始められるよ。
 
 -カタパルトゴム有効出力を最大限に活かす為の手順-
 其の3 1)貴方の両腕を広げた長さ知る。
2)使用するカタパルトゴムの性質を知る
3)当該ゴムの引幅限界とその時の引き量を知る。
4)1/2/3より貴方に見合った適正な長さのゴムが判る。
5)以上から貴方に見合ったゴムの長さを注記4)より求める。
6)発航は風上方向に向ける(風に対し右側)。

注記1)ゴム特性詳細(TANU/赤色)は水戸南航空製作所にて公開中。
   公開先URL (h)ttp://sumikami.web.fc2.com/index.html
注記2)引幅限界とは水戸南航空製作所が行った試験用造語。
注記3)引幅限界とはゴムが急激に引けなくなる点を指す。
注記4)引幅限界から更に10p以上引くとは破断限界に達する。
注記5)赤い色の引き幅限界は概ね自由長×5.5±0.5
 
-効果的な発航は上昇気流と風を読み生かす事だ-
 其の4  上昇頂点でかえった時のノーズの風に対する向きは、投げる方向の他に上昇
中の旋回次第で決まります。
 風の時の小さいサーマルを捕まえる投げのタイミングは極めて微妙です。
若し、上昇頂点でノーズが風下へ真っ直ぐ向いてしまったら、サーマルより先
に行ってしまうかもしれません。
 反対に風に真正面に向かったら、すぐに旋回へ入れないで、風に向かったま
ま暫くじっとしている(浮いている)か、失速に入るかして、サーマルに逃げら
れてしまうでしょう。
 従って、上昇の頂点では、右か左かどちらかの側から風を受けているように
すべきでしょう。
若し旋回外側翼側が風を受けるようにするのを好む人もいます。また、非常に
きついスパイラル上昇をさせ、頂点でノーズがどちらを向こうが気にしない人
たちもいます。
 しかし、きついスパイラル上昇は、パワーを余計に使う割には高度がとれま
せん。しかしサーマルが弱く、その高さも低い時は、強く投げ上げるとその上
へ行ってしまい全く損ですから、こんな時こそコークスクリュウ上昇を試して
みると良いでしょう。
 風の日に練習する時は、ストリーマーなどで風向きを調べてから投げる向き
を考えます。
風向きに対し、右とか左または正面と色々違った向きで投げてみましょう。同
様にバンク角、投げ上げ角も機体の癖を考えながら色々変えてみて下さい。上
昇旋回の具合、頂点での"かえり方"、"かえり"からグライドへの入り方等をよ
く注意して下さい。若し、一緒に飛ばしている仲間が居る時は、彼に遠くから
見て貰ってその飛び具合をよく聞いて下さい。少なくともあなたが直接真下か
ら見ているよりは良く判る筈です。
また飛ばすのは何時も良い天気の時とは限りません。悪条件の時にも良く飛ば
すにはどうしたら良いかを学ぶ為、風の時、サーマルの弱い時に敢えてチャレ
ンジしてみるのは非常に大切な事です。
大部分の人達は、弱い風や強いサーマルの有る時はうまく飛ばします。しかし
悪い天気とか、サーマルと探しにくいなどの条件の悪い時にうまく飛ばせる人
はほんの僅かなのです。


[補足]
コークスクリュウ上昇とは
 cork-screwclimb:コルクの栓抜きのような形のスパイラル上昇

[其の4]に付いて
本稿はUコン技術誌より一部を引用しました。
 HLグライダーの作り方と飛ばし方/11 勝田大一氏 著
 上昇気流(サーマル)と飛ばし方
なお、イラストは新たに水戸南航空製作所が挿絵を参考に書き起こしました。
 
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